「歩兵」の生き方
皆さんこんにちは!本日の記事は小野寺が担当いたします。
最近、将棋の人気が高まっていますね。私も以前将棋をしていた時期がありました。といっても、小学生の頃のほんの一時で、すぐにやめてしまいましたが。
将棋をしていた頃、父(4段)に
「一番好きな駒は何?」
と聞いたことがありました。父はすぐに、
「歩兵(ふひょう)」
と答えました。その言葉通り、次の対局で父は、歩兵、金将一枚、王将だけで私に勝ってみせました。
将棋を知らない方のために説明しますが、歩兵とは最前列に並んでいる駒で、動ける範囲が一番小さく、最弱の駒です。そんな歩兵が一番好きといわれて、当時はからかわれているのだと思っていました。
先日、たまたまそのことを思い出し、父にその真意を聞いたところ、
「歩兵は確かに最弱って言われている。だけど、歩兵は駒の中で一番多いから、突き捨ての歩、ツギ歩、金底の歩、タタキの歩、タレ歩、連打の歩など、たくさんの戦法が使える。歩の使い方次第でその人の棋力が分かるもんだ。持ち駒に歩が無いとこういった手筋が使えなから、歩が無い時に初めて歩の威力を思い知らされる。それに、歩だって頑張れば金になれるんだぞ。万能なサポートができる頑張り屋、それが歩兵だ。だから、俺は歩兵が一番好きなんだ」
歩という駒は将棋の中では最弱の駒です。ですが、これほどサポートに向いた駒はないでしょう。
「歩のない将棋は負け将棋」
大駒のような派手な活躍をする生き方もよいですが、歩兵のようにみんなをサポートできる生き方もまた、人々に誇れる素晴らしい生き方だと感じました。
【本日の投稿】
LiA Project 小野寺 一歴
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